「怒っても聞いてくれないんです」
保護者様とお話していると「(子どもに)何を言っても聞かないんです」とのお言葉を聞く事があり、街中や電車などでも、保護者の方が結構な剣幕で怒っているけど子どもに全く響いていない、という場面を観る事も稀ではありません。
これに関しては、保護者様には少し耳が痛い言い方になるかもしれませんが、「なんでもかんでも同じテンションで怒っていませんか?」というのが我々の考え方です。
我々大人もそうだと思いますが、禁止事項が多すぎたり、注意事項が多すぎたりすると、全てが雑になってくるかと思います。少し話が飛躍しますが、未熟な組織ほど「あれも注意これも注意」とアナウンスだけあって、現場レベルではどれも誠実に実践できていない、という事があるのではないでしょうか。
話を戻しますが、子どもにとっても、同じ事だと思います。「ダメだよー」と様々な事を同じテンションで怒っていては、子どもはあまり危険(迷惑)ではない事と、大きく危険(迷惑)な事の差を学習しにくいと思われます。例えば、靴を脱ぎ散らかした事と、弟を叩いた事を、同じ温度で怒られていては、冒頭に掲げた状況になる可能性は高いと考えられるのです。
アップルジュニアでは、なるべくやめた方が良いかな、程度のことは「それはやめといた方が良いんじゃない?」と注意したり、敢えて注目しない、という選択肢などを用意して支援にあたっています。 一方で、お友達を蹴ってしまったり、オモチャを強く投げつけてしまったら、かなりの熱量で叱責を与えます。その他、様々な事に対して「怒るテンション」というのは使い分けていく必要があると思っています。
そのように叱責を使い分けた結果として、「絶対にやってはいけないこと」の学習がかなり素早いように感じています。
ご理解いただきたいのは、アップルジュニアもお子様を怒る場面はある、という点です。それは、「怒られて可哀そう」という一時的な想いより、「何でも許されて育った子どもの方が可哀そう」な結果になると信じているからです。ただし、当たり前ですが体罰は絶対に禁止していますし、理性を保ったままで教育としての叱責を行っていますので、ご安心ください。